【看護師コラム】地域包括ケアを支える“地域包括支援センター”ってどんなところ?
看護師の岩本です。
今回は以前にも話題に出てきた、
“地域包括支援センター”
について更に詳しくご紹介をしていきます。
「地域包括支援センターってなに?」
「誰がなにをしているの?」
と思われる方も多いかと思いますので、
ざっくばらんに説明をしたいと思います。
端的に言えば、
『近所にいる全ての高齢者の、いろいろな相談を受け入れるトコロ』
と言えます。
具体的には
要介護の前段階の要支援認定者の方への、
介護予防ケアプランの作成とマネジメントを行います。
家族や本人からの相談として、要介護認定の申請、介護サービス利用手続き、あるいは事業所の紹介などもしています。
地域で、歩くのが大変になってきた、咽やすくなってきた、
など加齢に伴うことに対して、
運動教室や口腔機能教室などの、今後介護が必要になる前に予防するイベントや、介護予防の自発的な取り組みを行います。
『高齢者の何でも相談所』として、
例えば、
「お隣のおばあさんの家の新聞が、急に郵便受けに溜まりはじめて心配」や、
「最近一人暮らしのあのおじいさんを急に見かけなくなった」
など地域の方々からの相談も受け付けています。
また、
「もしかすると高齢者虐待…?」
といった通報・相談先もこちらになります。
他にも判断能力が落ちて、金銭管理や様々な契約ごとに不安があることについて制度を利用したサポートをしてくれます。
そして高齢者にとって生活している地域が暮らしやすい地域となるために、ケアマネージャーへの個別指導や相談、「地域ケア会議」などの実施で、
その地域全体が包括的で継続的に暮らしやすくなるための支援、も行っています。
整理すると、個人、家族、集団、近隣、まち(地域)とその地区の様々なレベルの支援を行っていて、
介護予防活動・高齢者よろず屋相談・権利養護・まちづくり の4つの視点があることがわかりました。
そしてそれらを担うため、ケアマネージャー、保健師(看護師)、社会福祉士 などの専門職がチームの一員に入っているのです。
まさに、”地域を包括して支援する”ための場所、なんですね!
困りごとがあれば、まずは地域包括支援センターへ行ってみると良いでしょう。
地域包括支援センターは、中学校区に1つ程度で設置されています。あなたの町にも、近所にも、必ずあるはずですよ。
みなさんも是非、相談をしてみてください。
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▼筆者
岩本 大希(いわもと たいき)
▼筆者プロフィール
看護師|ウィル訪問看護ステーション江戸川 所長
総合大学の看護医療学部を卒業後、神奈川県相模原市にある北里大学病院の救命救急センターのICU等で看護師として従事。三次救急のドラマティックな看護を経験しながら、患者が家に帰りたくても帰れないことで救急車のたらいまわしが起こる「ベッドの玉突き事故問題」や、突然の搬送・救命治療での充分な意思決定の時間が足りない事を問題と捉え、在宅医療・ケアの受け皿としてヘルスケアベンチャーにて24時間365日対応の訪問看護事業を起こす。
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