慢性呼吸器疾患認定看護師の、病院退職の苦労と転職への不安【訪問看護転職事例】
インタビューご協力者:
O.Rさん(50歳、正看護師、慢性期呼吸器疾患看護 認定看護師)
慢性期呼吸器疾患看護認定看護師。専門病院での神経内科病棟や呼吸器看護外来で管理職まで経験した後、自身の最後のキャリアとした希望していた訪問看護へと転職
趣味・好きなものを教えて下さい!
あまり「これ!」といった趣味はないんです(苦笑)。 お休みの日は、自宅でゆっくりとしながら撮り溜めたドラマや映画を観ていることが多いですね。 最近だと『おっさんずラブ』がとても面白かったです。 もうすぐ映画公開(2019年8月10日時点)なので、それも楽しみにしています(笑)。
※この記事はNsPace Careerの運営会社である在宅医療支援機構の人材紹介サービスを利用して転職した方のインタビューになります。
転職前の訪問看護のイメージって?
O.Rさん
ご利用者の暮らしぶりが全くイメージできていませんでした。
病院で退院をされる患者さんやそのご家族への指導・各種調整をしている中で、「自宅でどのように生活をされるのだろう…」「ご家族は(介護的な負担は)大丈夫だろうか…」といったことを漠然と心配していました。
また、訪問看護師という仕事に興味を持ちながらも、「生活」の中に入っていくことへの不安感や、「自分を受け入れてもらえなかったらどうしよう」といったことが気がかりになっていました。
訪問看護に転職をしようと思ったキッカケは?
O.Rさん
クリニック勤務をしていた際、終末期のがん患者の在宅支援をする場面が多かったので、それが「訪問看護」に興味をもつキッカケだったと思います。
その後、前職の専門病院で「訪問看護ステーションを立ち上げる」といった計画が浮上して、それであれば「訪問看護をやってみようか?」と考えました。
ただ、その後何年経っても訪問看護の立ち上げの話が進まず、それであればいっそのこと訪問看護ステーションへ転職をしてしまおうと考えました。
また、病院で働く中で、色々なスタッフとの利害関係や人間関係が発生する、大きな組織で働くことに疲れてしまった、といった気持ち面での理由もありました。
訪問看護への転職時に不安はありましたか?
O.Rさん
50歳に近い年齢なので、「転職をするであればこれが最後」「転職活動に失敗はできない」といった不安はありました。
その他、不安だった点としては、
・自動車免許を持っていなかったので運転に関する不安
・病棟勤務に比べての給与ダウンは避けられないと思っていたのですが、どの程度になるのだろう?といった不安
・ここ数年は管理職として勤務をしていたので、自分が臨床から離れていることへの不安
といったことを心配していました。
改めて、並べてみると不安材料が多かったですね(苦笑)。
訪問看護への転職活動はどのように?
O.Rさん
「転職活動」の前に病院からの「退職活動」が大変でした…。
私の認定資格の兼ね合いで、退職をした後の医療チームの加算要件への影響もあり、「後任が見つかるまで」と引き止めをされました。
病院側との話し合いは継続的に続けていき、結果的には看護部長が交代したタイミングで、退職を認めてもらえた、という流れです。
転職活動については、知人の訪問看護師に相談をしたり、看護協会のナースプラザや一般的な人材紹介サービスに登録をしたりしました。
「訪問看護」でネット検索をしていた際、たまたま在宅医療支援機構さんのページを見つけ、「在宅専門」といったことに惹かれこちらへ問い合わせをしました。
在宅医療支援機構での転職は(率直に!)どうでしたか?
O.Rさん
自分の希望した在宅での働き方に対して、適切な提案をしてもらえたと思っています。
ナースプラザや他の人材紹介会社も利用しましたが、転職の進め方やご案内頂いた様々な内容も納得ができるものでしたし、「自分に合っている」と感じられました。
訪問看護ステーションで転職先を探す際に、「スタッフの雰囲気は?」「所長さんの人柄は?」「働き方の様子は?」といった生な情報が欲しいと思っていたので、そこの案内をしてもらえてすごく助かりました。
また、『LINE』でのやり取りがメインだったので、レスポンス早く対応してもらえた点も良かったです。
転職した職場はどうですか?
O.Rさん
信頼できる管理者さんだと思います。
前職は(大きな病院だったので仕方がないのですが…)上司がよく替わる職場で、その度に右往左往しながら働いていた経験があるので、特に上司(管理者さん)でステーション選びをしようと考えていました。
訪問看護の現場に出るようになってからも、「医療的な安全性」と「患者さんの意向」といった両面の板挟みになる場合では、安心して管理者さんに相談できることや、管理者さんのバランス感覚を信頼できる点は働きやすさに繋がっていると思います。
看護内容的なことでいえば、担当のご利用者を考慮して頂いて、間質性肺炎の方への在宅酸素療法導入後の自己管理教育や、ALS患者への呼吸リハビリの支援等といった、訪問看護ならではの慢性呼吸器疾患看護を実践できています。
病院にいた時の看護を踏まえつつ、現在は「その後を引き継いでいる」といった感覚が、自分としてもとても新鮮な気持ちです。
訪問看護への転職を考えている人へのメッセージ
O.Rさん
病院で働いていて、在宅のイメージが持てないのは皆いっしょだと思います。
東京都では訪問看護での現場見学を受け入れる制度(※)もあるので、転職活動以前にでも、まずは気軽に在宅の現場を見学してみることをオススメしたいです。
訪問看護の現場では、常に複数のタスクに追われ続ける病院勤務と違い、ご利用者やそのご家族にしっかりと向き合ってお話を聴けることが良いなと日々感じています。
時間的にも心理的にも余裕をもってご利用者と接することができるのは、訪問看護の大きな魅力です。
まとめ:転職先選びのポイント
- 神経難病、人工呼吸器、重症心身障害児といった医療的ケアの経験ができる
- 信頼できる管理者やスタッフのいる職場
- 学会や研修への参加に対して理解のある環境
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