自分にあった求人の探し方とは?訪問看護特化の求人サイトの活用方法
訪問看護への転職を成功させるためには、より良い求人を探すことが重要です。
というのも、転職してもストレスを感じたり、劣悪な環境で疲れたりして転職を後悔する恐れがあるためです。
ただし、求人の探し方がわからず悩んでいる方も多いはず。さらに、現在の勤務を続けながら転職活動を進めている看護師の方や、子育てで忙しく転職に時間をかけられない看護師の方もいるでしょう。
この記事では、訪問看護の求人サイトをうまく活用することによるメリットや転職を成功させるポイントを解説します。あなたの条件や希望に合った訪問看護ステーションを探し、転職を成功させましょう。
訪問看護に特化した求人サイトを使うメリット
まずは、訪問看護に特化した求人サイトを使うメリットを紹介します。
- 訪問看護に関する豊富な求人から選べる
- 訪問看護ステーションの内部事情が手に入る
- 履歴書や職務経歴書を簡単に作成できる
- 訪問看護ステーションに入職したあとのキャリアプランが明確になる
- 訪問看護ステーションからのスカウトが届く
- 現在の職場を円満退職できる
- 転職に関することを何でも相談できる
それぞれのメリットを知ったうえで求人サイトを使うと、あなたに合った訪問看護ステーションが見つかり訪問看護師として生き生きと働けるでしょう。
1.訪問看護に関する豊富な求人から選べる
求人サイトを活用するメリットは豊富な求人から選べることです。
求人サイトは数多くの求人を保有しています。個人で1日に何件も求人を探すのは難しいでしょう。厚生労働省が公開している「令和4年厚生労働白書」によると、令和2年の看護師及び准看護師の有効求人倍率は2.24倍、訪問看護ステーションの有効求人倍率は3.26倍とされています。
訪問看護ステーションの人材確保のニーズが高く求人数が多いといえます。
ただし、すべての求人がより良い求人であるとは限りません。さらに、現在の職場で勤務している方は時間が限られており、焦りから求人を十分に検討できずに転職先を決めてしまうかもしれません。
その結果、転職先した訪問看護ステーションの労働環境が悪く、転職しても早期退職してしまうケースもあります。すると、また転職活動を始めなければなりません。
求人サイトを活用すると1度で数多くの求人を検索できます。勤務地や条件を入力するだけで希望に沿った求人が出てくるため探しやすいです。
転職を失敗したくないと考えている看護師の方は、求人サイトを活用して転職活動を進めましょう。
2.訪問看護ステーションの内部事情が手に入る
求人サイトを利用すると、訪問看護ステーションの内部事情が手に入ります。
転職活動を進めていくなかで、実際の人間関係や休日数、時間外勤務の状況などを知りたい方は多いのではないでしょうか。これらの内部事情は「転職したあとずっと働き続けられるか」というポイントで重要です。
内部事情を知らなければ、以下のように転職を後悔する可能性があります。
- 待遇は良いけど人間関係が悪かった
- 休日数が多いと思ったのに、オンコール対応が多く実際は休みが少なかった
- 時間外勤務はないけど、自己研鑽で勤務終わりに研修に参加しなければならなかった
これらの情報は働き続けるために重要ですが、訪問看護ステーションのホームページのみでは読み取ることはできません。
そのため、求人サイトを活用して内部事情を知り、転職したあとも働き続けやすい訪問看護ステーションを選びましょう。
3.履歴書や職務経歴書を簡単に作成できる
求人サイトのなかには、履歴書や職務経歴書の作成をサポートするサービスを提供しているところもあります。
日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」によると、看護師の方で転職経験があるのは全体の50.5%であり、そのうち転職回数は1~2回が50.3%です。つまり、多くの看護師は転職経験が豊富ではないといえます。
そのため、履歴書や職務経歴書を作成したのは新卒時の面談のみであり、苦手とする看護師の方は多いのではないでしょうか。
求人サイトの履歴書や職務経歴書を作成するサポートを活用できると、スムーズに書類を作成でき、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
4.訪問看護ステーションに入職したあとのキャリアプランが明確になる
訪問看護ステーションに入職したあとのキャリアプランが明確になることも、求人サイトを使うメリットです。
というのも、求人サイトでは転職サポートの経験が豊富なキャリアアドバイザーが、転職したあとのことも考えサポートしてくれるためです。
例えば、転職する理由だけではなく「転職して何をしたいのか」「転職先でどうなりたいのか」についてキャリアアドバイザーとのヒアリングで明らかにできます。
そのため、働き続けるモチベーションを維持しやすいでしょう。
5.訪問看護ステーションからのスカウトが届く
求人サイトの中には、会員登録をすると希望に合った求人情報がおすすめ求人情報として送られてきたり、訪問看護ステーションからスカウトメールが届きます。
在職中に転職活動をすると、求人情報を探すのに多くの負担がかかります。そのような状況で効率的に自分にあった求人情報を見つけるために求人サイトに登録し、自分にあった求人を待つのは効率的な求人の探し方です。
特に短期間での転職にこだわっておらず、じっくりと自分に合った職場を探す際には求人サイトへの登録は有効です。
6.現在の職場を円満退職できる
現在の職場を円満退職できるのも求人サイトに登録するメリットのひとつです。
「人間関係が悪くきつかった」「給料が安くて働き続ける気持ちになれなかった」など、退職する理由はさまざまです。
ただし、お世話になった職場を円満に退職したい看護師の方は多いはず。求人サイトのキャリアアドバイザーは、転職のサポート経験が豊富です。これまで多くの退職した看護師と関わってきています。
なかには、ケンカ別れして退職したり、退職交渉でこじれたまま退職したりするケースを知っているキャリアアドバイザーがいるかもしれません。
そのため、どのような方法であれば円満退職できるのかがわかります。求人サイトを活用すると円満退職できる方法を知れるため、気持ちよく転職先で働けるでしょう。
7.転職に関することを何でも相談できる
転職活動に不安はつきものです。求人サイトでは、転職にかかわる不安や悩みを相談できる窓口を設けているところもあります。
「Ns Pace Career(ナースペースキャリア)」は、転職サイトでありながらも専門家による転職相談を受けることができます。訪問看護業界での転職に不安を抱えている場合、専門家に相談してみるのがおすすめです。
訪問看護の求人の探し方で知っておきたいポイント
訪問看護の求人を探す際に注意すべきポイントがいくつかあります。以下の8つに気をつけてください。
- オンコール体制・回数
- 年間の休日数
- 休憩時間や時間外勤務
- 対象とする利用者さまの特徴
- 給与や待遇
- スタッフの年齢層や雰囲気
- 運営母体
- 教育・研修体制
それぞれのポイントに注意して訪問看護ステーションを探し、後悔しない転職を手に入れましょう。
オンコール体制・回数
訪問看護ステーションの求人を探す際に注意したいのは、オンコール体制や回数です。
というのも、オンコールは働き方やプライベートに大きく影響するためです。
オンコールとは、「訪問看護を利用する利用者さまから、緊急の連絡があった際に対応すること」です。「オンコール当番」「電話当番」「待機」などと呼ばれることもあります。一般的に、オンコールを担当する際は、オンコール専用のスマホを常に持っておきます。利用者さまから緊急の連絡があると電話で対応したり、利用者さまの自宅に伺いケアしたりしなければなりません。
「オンコールの連絡があるのではないか」「訪問しなければならないかもしれない」など、訪問看護師の方は家で過ごしていてもオンコールのことが気になり、ゆっくり休まらないかもしれません。
実際に、日本看護協会の調査によると、訪問看護ステーションの90.6%がオンコール体制を導入しており、訪問看護師の83.5%がオンコールに身体的、精神的な負担を感じています。
そのため、オンコールに対応する訪問看護ステーションであるのか、1ヶ月のうちに何回くらいオンコール対応しなければならないのかなどを確認しておきましょう。
オンコールについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:オンコール業務とは?
年間の休日数
年間の休日数を知っておくことも求人を探す際に大切です。
「訪問看護ステーションでは土日休みやすい」といわれているものの、訪問看護ステーションによって年間の休日数は異なるためです。
日本看護協会の「2021 年 病院看護・外来看護実態調査 報告書」によると、看護師全体の休日数の平均は117.3日であり、事業所の規模が小さいほど休日数が減少します。
訪問看護ステーションは土日に休みやすいところもあれば休みが規則的であるなどの声があります。
ただし、訪問看護ステーションによっては24時間365日対応しているところや、週休二日制のこともあります。年間の休日数はワークライフバランスのために重要であるため、事前に確認しておきましょう。
休憩時間や時間外勤務
休憩時間や時間外勤務を把握することも、働きやすい訪問看護ステーションの求人を探す際に不可欠です。
訪問看護ステーションによっては、訪問の間が休憩時間となる場合もあるため、十分に休めない恐れがあります。
例えば、利用者さまの自宅間の移動距離が長く休憩時間が削られたり、ケアに時間がかかり十分な時間を確保できなかったりすることがあります。
また、時間外勤務をすべて申請できない訪問看護ステーションもあります。
休憩時間や時間外勤務などの情報はホームページでは確認できないため、面接のときに確認するか、職場見学の際に聞いたりしましょう。
対象とする利用者さまの特徴
後悔しない転職のために、訪問看護ステーションが対象とする利用者さまの特徴を知っておきましょう。
訪問看護を利用する利用者さまは、年齢・疾患共に多様です。それぞれに必要な処置やケアを始め、持っておくべき知識やスキルが異なるため理解しておくことは重要です。
具体的には、精神科や小児科などに特化した訪問看護ステーションがあり、場合によっては未経験であり対応できない恐れがあります。
とはいえ、全ての疾患を理解して完璧に対応することは難しいため、希望する訪問看護ステーションにおける利用者さまの特徴に対して、自分自身にどんな学びが必要か、現時点でのできるケアは何かを把握しておくことで、あなたの経験を活かし働きやすいでしょう。
給与や待遇
訪問看護ステーションの給与や待遇は、より良い職場を探すうえで欠かせません。
給与や待遇が悪いと働くモチベーションを維持できなかったり、リフレッシュできなかったりするかもしれません。
さらに、給与を見る際は、基本給と諸手当を分けて考えてください。賞与や時間外勤務代は基本給をもとに算出されるためです。基本給が低ければ、想定よりも給与が低いこともあります。
訪問看護ステーションの求人によっては、高収入であったり待遇が充実していたりなど給与や待遇が大きく異なるため、ホームページを見たり面接の際に聞いたりして確認してください。
スタッフの年齢層や雰囲気
スタッフの年齢層や雰囲気も求人を探すうえで注意したいポイントです。
日本看護協会の調査によると、看護師が退職した理由で4番目に多いのが人間関係とされています。訪問看護ステーションにおいても同様のことがいえます。
訪問看護ステーションの多くは小規模の事業所であり、閉鎖的な人間関係を苦に退職する方が少なくありません。
そのため、職場見学をして、訪問看護ステーションの実際の雰囲気やスタッフの接し方などを実感すると良いでしょう。
設置主体
訪問看護ステーションの設置主体を理解することは、事業所の経営だけではなく訪問看護師の働き方や休日の取得、オンコール体制にかかわるため重要です。訪問看護ステーションの設置主体は以下の通りです。
設置主体 | 割合 |
営利法人 | 42.4% |
医療法人 | 27.5% |
社会福祉法人 | 8.4% |
医師会 | 2.6% |
自治体 | 2.1% |
看護協会 | 1.9% |
その他 | 15.1% |
出典元:平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成29年度調査)(5)訪問看護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業 報告書|厚生労働省
企業が運営する訪問看護ステーションが全体の4~5割を占めます。一般的に、規模が大きく運営母体が安定している訪問看護ステーションは、給与や福利厚生が充実しています。
ただし、訪問看護ステーションは医療や福祉以外の業種からの参入も多く、短期間のうちに撤退したり廃業したりするケースも少なくありません。
転職先を探す際には、設置主体について十分な情報収集が大切です。
教育・研修体制
未経験で訪問看護ステーションへの転職を検討している看護師の方もいます。
病棟の看護師と訪問看護師では、業務内容や働き方、知っておくべき知識や処置、扱う法律など異なります。
そのため、教育・研修体制が重要です。充実した体制であると、訪問看護師としてのスキルを身につけられ、スムーズに働けるでしょう。
転職が成功しやすい訪問看護の求人の探し方
転職が成功するために訪問看護の求人の探し方を解説します。
- 転職する理由を明確にする
- 希望条件に優先順位をつけておく
- 情報収集を十分にする
- 在職中に転職活動を進める
- 同行訪問や職場見学をする
- 複数の転職先を比較する
- 転職以外の選択肢を持っておく
上記7つの探し方を把握できると、転職がうまくいくでしょう。
転職する理由を明確にする
転職する理由を明確にすると、転職が成功しやすいです。
というのも「今の職場がイヤだ」「現状から逃げ出したい」という理由だけで転職すると、転職後に後悔しやすいためです。具体的には、以下に沿ってスマホやノートに書き出してみてください。
- どうして転職したいのか
- どんな看護・ケアをしたいのか
- 得意・不得意なことは何か
- 転職後にしたいこと・したくないことは何か
- 自分の長所・短所は何か
悩みや問題点をスマホやノートに書き出すと、困っているポイントがわかり転職で叶えたい希望や条件をあきらかにできます。
ただし、現在の職場でパワハラやセクハラを受けていたり、職場環境が悪く体調を崩している場合は、早期に転職を検討することよりも休職や退職を考えましょう。
希望条件に優先順位をつけておく
希望条件に優先順位をつけておくことも、転職がうまくいくためには大切です。
希望する条件がすべて叶う訪問看護ステーションはなかなか見つかりません。転職の幅が狭くなり、好条件の求人に応募できない恐れがあります。
例えば「絶対に叶えたい条件」「妥協しても良い条件」「できればあると嬉しい条件」の3つに分けて考えると良いでしょう。
ただし、条件を妥協しすぎると転職後に後悔する可能性があるため、注意して分けてください。
情報収集を十分にする
転職の成功のためには十分な情報収集が大切です。
訪問看護ステーションのホームページだけではなく、パンフレットやブログ、口コミサイトなどから情報収集します。ですが、口コミサイトやブログの情報は信ぴょう性に欠ける恐れがあり注意が必要です。
すべての情報を信じず、あくまで参考程度としてください。情報が掲載されていなければ、直接電話して尋ねるのも有効な手段です。
在職中に転職活動を進める
在職中に転職活動を進めると、転職を成功させやすいです。退職して転職活動する不安は以下の2つがあげられます。
- 金銭的な不安
- ブランクがある不安
働きながらであると時間が限られていたり休日に休めなかったりするものの、お金に困ったり焦ったりせずに転職活動を進められるためです。
ただし「今すぐ職場を辞めたい」と考えている看護師の方もいるでしょう。
転職活動をじっくり進められると、訪問看護ステーションを慎重に選ぶことができ、より良い求人を見つけられるかもしれません。
また、在職中に転職活動を進めるとブランクがなく転職できるため、転職後もスムーズに働けるでしょう。
同行訪問や職場見学をする
近年では、多くの訪問看護ステーションが同行訪問や職場見学をおこなっています。ホームページや求人サイトにはない、以下のような情報が得られるかもしれません。
- 職場の雰囲気
- スタッフの様子
- 利用者さまへの接し方(同行訪問の場合)
これらの情報は働き続けていくうえで重要です。転職後のミスマッチを防げるため、積極的に同行訪問や職場見学に参加してください。
複数の転職先を比較する
複数の転職先を比較しながら転職活動を進めましょう。ひとつに絞ると以下のようことにより転職活動がうまくいかない恐れがあるためです。
- 希望や条件が合わない
- 応募がなくなる
- より良い転職先を逃す
複数の候補を比べながら、徐々にあなたに合った転職先を絞っていきましょう。
転職以外の選択肢を持っておく
転職以外の選択肢を持っておくことも転職が成功するためには必要です。
「転職したい!」と考えているときは、周りが見えなくなるもの。転職する時期が悪かったり、現職でスキルアップしてから転職したほうが良かったりすることもあります。
そのため、一度転職する理由を明らかにすることも大切です。
冷静に考え直し転職したほうが良いと判断した際には、迷いなく転職活動を進められます。
「訪問看護ステーションに転職する!」と決めた際には、求人サイトを活用して他の求職者よりも有利に進めましょう。
まとめ
転職を成功させるための訪問看護の求人を探す方法を紹介しました。
訪問看護業界は人手不足であり多くの魅力ある求人があります。
ただし、すべてが良い求人とはいえず、転職しても後悔したり、転職後にすぐ退職したりするケースが少なくありません。そのため、求人サイトを有効活用することが重要です。
「Ns Pace Career(ナースペースキャリア)」は、訪問看護専門の総合支援サイトであり、訪問看護ステーションに転職したい方の悩みや疑問を解決できます。LINEで無料相談できるため、まずは登録して活用を検討してみましょう。
参考文献・サイト
2024 年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査
平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成29年度調査)(5)訪問看護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業 報告書|厚生労働省
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。