訪問看護ステーションの働き方とは?
いざ訪問看護に転職しようと思っても、「実際は働きやすいのかな?」「ひとりで訪問して判断するのは不安だな」など色んな疑問や心配事があると思います。今回は、訪問看護ステーションの働き方が少しでもイメージできるように説明していきます。
①訪問件数に関して
訪問時間は30分〜1時間訪問が大半であり、訪問、移動、記録含めると1日に4〜5件、月に80〜90件になることが多く、その件数であれば負担なく訪問できる件数かと思います。利用者によっては医療依存度が高いケースやケア量が多いケースもあり、その場合は90分を越える長時間訪問になることや小児であれば在宅レスパイト事業を利用して数時間自宅に滞在することもあります。
②1日の業務フローに関して
1日の業務としては、訪問、記録作成、他職種への連絡・調整が通常業務となっています。その他、サービス担当者会議や退院カンファレンスが入ってくることや通常業務に慣れてきたタイミングでオンコール対応も始まるかと思います。また、1ヶ月に1度受け持ちの利用者の訪問看護計画書・報告書を主治医やケアマネジャーに提出が必要になるため書類作成が必要となります。その時期は一時的に業務量が増えますが、それも見越して早めに書類作成に手を付けたり、隙間時間を有効に活用することで残業時間を減らすことができます。
③情報共有、相談に関して
記録としては現在も紙カルテを運用しているステーションもありますが、種類は違っても電子カルテを利用しているステーションが大半です。そのため電子カルテ内や社用SNSを通じて業務連絡含む情報共有することが多いかと思います。また、社用携帯を支給されるため訪問先で何か困れば所長や先輩に電話をして対応を相談することもあります。そういった点では、病院で何か困ればナースステーションで先輩に相談することや、ナースコールを押してヘルプを呼ぶことと物理的な距離感は違いますが、大きく変わらないかなと感じています。何より不安や心配なことがあった場合にしっかり自己開示できることが大切です。
④ワークライフバランスに関して
訪問看護で働く魅力の一つにはワークライフバランスの取りやすさがあると思います。直行直帰や副業OKなど柔軟な働き方を許容しているステーションも増えてきており、また、夜勤がないことで体への負担も少なく、プライベートとの両立もしやすい勤務体系になっています。また、パートでの勤務の場合でも、週3日・午前のみ・午後のみなど働き方の融通が効きやすいという点も特徴だと思います。
以上となります。
訪問看護の実際の働き方に関して少しでもイメージできたでしょうか?個人的には訪問看護ステーションへの転職当初は病院勤務時代より幅広い領域・対象に看護を提供することに心理的なハードルを高く感じていましたが、同行訪問や振り返りを繰り返す中で慣れていきました。そして、1ヶ月の業務の流れが身に付いてからは先読みしてタイムマネジメントして、on-offのメリハリをつけながら働くことができています。また、急な息子の体調不良や幼稚園の送迎が発生した場合も臨機応変にスケジュール調整できることも助かっています。
▼執筆者プロフィール
藤井 達也
地元名古屋の大学を卒業後、聖路加国際病院の救命救急センターで看護師として働き始める。高齢者の最期の在り方について疑問を抱く中で、より深く意思決定の場面に関わっていきたいと考え、訪問看護の道へ。現在はウィル訪問看護ステーション江戸川にて訪問看護師として働きながら、教育、採用、管理業務の一端も担っている。
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。