訪問看護ステーションのチームとは?
訪問看護ステーションと聞くと看護師のみが所属しているように思われることもありますが、看護師以外にも他の職種のスタッフも所属しているステーションもあります。今回はどんな職種がチームに所属するのか、また、組織外でも利用者を支援するためにどんな職種とチームを組むのか説明していきます。
構成
まずはステーションの人員基準として①管理者(看護師、保健師で看護職員との兼務可)を1人配置すること、②看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)を常勤換算で2.5人以上(うち1人は常勤)配置すること、③理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を実情に応じた適当数配置すること、が最低限必要となります。
統計上、常勤換算では看護師(保健師・助産師含む)が64.4%、准看護師が6.2%となっています。 セラピストは、理学療法士が14.2%、作業療法士が6.4%、言語聴覚士が1.4%であり、 理学療法士は看護師に次いで多い職種です。(https://www.jvnf.or.jp/global/The_Present_and_Future_of_Visiting_Nursing2021_JP-memo.pdf)
リハビリ職と協働して介入するケースも多くなっているため、看護師とリハビリ職がいかに連携できるかが重要です。定期的なカンファレンスや事例検討を通して介入の方向性を検討して看護・リハビリそれぞれの視点を活かした提案やケアをおこなっていきましょう。
規模
看護職員規模(常勤換算)別の訪問看護ステーション数は、5人未満が約62%、5人以上が約38%であり、半数以上のステーションが5人未満の規模で運営している状況です。(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000529038.pdf)
小規模ステーションであると引き受けられる利用者数が少ない・領域幅が狭い、教育に人・時間を裂けない、スタッフの退職に伴い閉鎖リスク高い、等のデメリットがあると思います。国としても24時間対応ができ、重症なケースに対しても質の高い看護を在宅でも提供できるように規模化することを推奨しており、機能強化型のステーションとして診療報酬も高くなるように設定されています。
平均年齢
訪問看護ステーションにおける看護師は、45歳以上で約53%を占めます。さらに50歳代以上の割合が増加傾向にあります。
「訪問看護アクショ ンプラン2025(https://www.jvnf.or.jp/2017/actionplan2025.pdf)」によると、現在、訪問看護ステーションに従事する看護職員数は約4万1千人です。自宅で死亡する人の割合は全国平均で12.5%ですが、これをオランダやフランスなどの在宅死の割合の30%程度まで引き上げるためには、医療機関で訪問看護に従事する看護職員を合わせて、現在の3倍の約15万人が必要と考えられます。そのため、新卒からでも訪問看護師を目指すことができる教育モデルを確立して新卒訪問看護師を確保することや中堅の訪問看護師が安心して仕事に従事できるように、待遇改善に向けた活動や、働きやすい職場づくりへの取り組みを進めることが重要となっています。
在宅で利用者を支援するチーム
医師、ケアマネージャー、ヘルパー、訪問入浴のスタッフ、デイサービスのスタッフなど挙げれば切りが無いくらい利用者を在宅で支援する職種がいます。病院では同じ所属の中で顔なじみの中でチームを組みますが、在宅では各職種の所属が違い利用者ごとにチームが変化していきます。そのため多職種と円滑なチームを組むことが求められます。
以上となります。組織内でも外でも訪問看護師としての自分の役割を把握して、他職種と協働しながら質の高いケアを提供していくことが大切となります。是非、チームを感じながら働いてみて下さい。
▼執筆者プロフィール
藤井 達也
地元名古屋の大学を卒業後、聖路加国際病院の救命救急センターで看護師として働き始める。高齢者の最期の在り方について疑問を抱く中で、より深く意思決定の場面に関わっていきたいと考え、訪問看護の道へ。現在はウィル訪問看護ステーション江戸川にて訪問看護師として働きながら、教育、採用、管理業務の一端も担っている。
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。