「困っている人の駆け込み寺に」~地域に根差す訪問看護ステーションを目指して~いまじんナースステーション 佐藤さんにインタビュー

循環器専門病院から訪問看護、そして障害福祉の現場まで、幅広い経験を積んでこられた佐藤様。そんな佐藤様が目指すのは「地域の駆け込み寺」のような訪問看護ステーションです。スタッフの働きやすさにも注力し「チームで支え合う」ことを大切にしています。いまじんナースステーション設立のきっかけや佐藤様の想い、今後のビジョンをうかがいました。
循環器病院、障害福祉の分野を経て訪問看護の道へ
私の看護師としてのキャリアは、循環器専門病院の心臓血管外科病棟から始まりました。約8年間病院に勤め、その後は透析室や訪問看護を経験しました。病院を辞めた大きなきっかけは、在宅医療に興味を持ったことですね。でも、最初から訪問看護を目指したわけではなく、一度、看護師とは違う世界を見てみようと思い、障害福祉の世界に入りました。サービス管理責任者という資格も取得して、精神科の分野や知的障害のお子さんたちと関わるなかで、病院では学べなかった多くのことを学びました。元々精神科は専門じゃなかったので、すごく世界が広がったなと感じています。
その後、異動で訪問看護に携わることになったんです。やっていくうちに訪問看護の魅力が分かり、どんどん好きになりました。そこから、当初の管理者が退職することになり、私が管理者を務めることになったんです。

看護と介護の連携が魅力。いまじんナースステーションで管理者を務めるきっかけ
当ステーションで管理者を務めるきっかけは、法人の代表と知り合いだったことですね。代表自身は医療業界の方ではないのですが「地域のために何かしたい」という強い想いを持ち、訪問看護で地域に貢献できればと事業を始められました。ありがたいことに、私に声をかけていただいて、入職することになりました。
法人にはもともと訪問介護事業所もあり、同じ時期に立ち上がったような形になっています。訪問介護と訪問看護が同じ法人内にあるのは、すごく大きな強みだと思っています。連携が取りやすいのはもちろんですが、介護士さんの教育に看護師が関わることで、介護の質の底上げにも繋がると思うんです。私たち看護師も介護の知識を共有してもらえて、お互いに学び合える、良い関係性が築けています。どっちが上とか下とかではなく、お互いをリスペクトし合える関係性が大事だと考えています。介護士さんが悩んでいたら、力になりたいですね。利用者さんにとっても、介護と看護が連携していることで、早期対応にも繋がりますし、見守りの目も増えるので安心かなと思っています。これはぜひ大事にしていきたいところです。
みんなで考え、作り上げていくことを大切にしたい。チーム作りへの想い
私たちのステーションの特徴は「みんなで考える」チーム制であることです。訪問もみんなで手分けして行っていますし「利用者さんにはどんな支援が必要なのか」「こういうことをした方がいいんじゃないか」といったことを看護計画も含めてみんなで一緒に考えていくようにしています。
みんなで考えることで、いろいろな意見が出せますし、若いスタッフにとっては教育にもなります。それに、負担が特定の人に偏らないように、みんなで協力し合える体制にしたいですね。重症の利用者さんをみることも、ひとりに任せるのではなく、みんなで支え合えるようにしたいです。管理者として、みんなの意見を引き出しながら、みんなでステーションを作り上げていきたいと思っています。
働く環境として大切にしているのは、風通しの良い、話しやすい雰囲気であることです。管理者とスタッフの間に壁があるような職場にはしたくないですし、ステーション運営はひとりではできませんから、みんなの意見を聞きながら進めていきたいと考えています。あとは、スタッフが悩んだり困ったりしても、事務所に戻れば誰かに相談できる、安心できる場所でありたいと思っています。
訪問看護未経験者もじっくり経験を積める。安心して成長できる環境づくり
教育体制については、まだまだこれから考えていきたい段階ですね。訪問看護に若いスタッフが少ないなかで、どのようなキャリア形成を支援していくかは悩みどころです。私は病院で新人教育や実習指導も経験してきたので、そういった経験を活かして、これから教育システムを整えていこうと考えています。
現在は現場でのOJTを大事にしていて、訪問から戻ってきたら、しっかりと振り返りの時間を設けているんです。教育の動画を見るだけでは想像できないことも多いので、実際に一緒に行って学ぶのが一番早いし、効果があると思っています。
当ステーションは新設であるため、今はまだ利用者さんの数が多くありません。なので、未経験者の方にとってはゆっくりと訪問看護を学べ、ひとつひとつ経験を積んでいける時期だと思います。今いるスタッフのほとんどが訪問看護未経験者なので、同じような視点で一緒に悩み、励まし合いながら成長できる環境だと思います。
オンコールについても、未経験者の方にとっては不安だと思います。なので、スタッフには遠慮なく私に電話してきてほしいと伝えています。それで不安が解消されるならそれが一番いいですから。もしひとりで抱え込んでミスが起こってしまうと、なぜ相談しなかったのかという責任問題になってしまうでしょう。私に報告して、私が指示を出せば、それは私の責任ですから。だから、遠慮せずどんどん頼ってほしいですね。

「困っている人の駆け込み寺」のような存在になるために
今後のビジョンとしては、まずは利用者さんを増やしていくことです。将来的には利用者数を80人くらいにすることを目指しています。それに伴って看護師も増やしていきたいですね。
そして、私がずっと持ち続けている想いは「困っている人の駆け込み寺のような存在になりたい」ということです。それは利用者さんだけでなく、ケアマネジャーや医師など、地域で関わるすべての人に対してです。そう考えたきっかけは、病院のサポートとのちがいにあります。病院は退院したらそこで看護師ができるサポートは終わってしまいますが、在宅になると看護師ができるサポートが幅広いんですよね。利用者さんが使えるサービスだけでなく、経済状況も考慮しながら、ベストな方法を考えていく。正解がないなかで、利用者さんやご家族が困る状況があると思うんです。そんなときに「佐藤に相談すればなんとかなる」「なんとかなるようにしてくれる」と思ってもらえるようなステーションにしたいですね。
今後は精神科領域にもしっかり対応する予定です。私が障害福祉の経験で精神分野を学んだことが活かせると考えています。小児領域については、今は経験者がいないので難しいですが、いずれはチャレンジしていきたいと思っています。いろんな領域に対応できるようになることで、本当に地域の「受け皿」として機能していけると信じています。
スタッフ同士が話しやすく、働きやすい環境を。入職者へのメッセージ
一緒に働きたい人物像としては、まず「報告・連絡・相談ができる人」です。あとは、自分から考えて動ける人ですね。報告や相談がないと、私たちも状況を把握できません。訪問に行ったあと「今日はこんな感じでした」のような簡単なことでもいいので、管理者との壁を感じずに、気軽に話してくれたらうれしいですね。
ほかには「他愛のない話ができる人」や「オンとオフをしっかり切り替えられる人」に来てもらえたらうれしいです。ずっと仕事モードではなくて、休憩時間にちょっとリラックスして話せるような雰囲気があるといいなと思います。かしこまったカンファレンスばかりではなく、自然に相談し合える関係が理想です。
現在、スタッフは私を含めて看護師が4名で、非常勤に男性看護師もいます。年代は30代、40代が多いです。子育て経験があるスタッフもいるので、もしこれから子育て中のスタッフが入ってきたら、子育ての先輩としてもフォローし合えるのではないかと思います。
私たちのステーションは、これからみんなで成長していく場所です。「困っている人を助けたい」という想いに共感してくださる方や「新しい環境で一緒にステーションを作り上げていきたい」と思ってくださる方、ぜひ一度見学にお越しください。話しやすいスタッフばかりなので、きっとリラックスしてお話できると思います。
インタビュアーより
ステーションを「地域の駆け込み寺」のような存在にしたいという佐藤様の熱意が印象的でした。スタッフが支え合える、風通しの良い環境づくりに注力され、穏やかな雰囲気がとても素敵なステーション様です。訪問看護未経験の方でも、しっかり学べる環境が整っていますので、興味のある方はぜひお問合せください!
事業所概要
いまじんナースステーション(大阪府池田市)
住所:大阪府池田市石橋1-3-1
運営方針・理念:
地域の皆様に信頼される訪問看護・訪問介護ステーションとして、地域の医療機関や介護サービスと連携し、皆様の健康と笑顔に貢献できるよう、スタッフ一同精一杯努めてまいります。

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