クリニック看護師がつらいと思う理由は?対処法から退職手順まで解説

公開日:2024/12/20 更新日:2024/12/20
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クリニック看護師がつらいと思う理由は?対処法から退職手順まで解説

クリニック看護師として働いている中で、職場環境や業務内容、待遇、人間関係など、さまざまな理由で「つらい」と感じている方もいるでしょう。

この記事では、クリニック看護師がつらいと感じる主な理由や対処法を解説します。辞めるかどうかの判断基準や退職手順も紹介しますので、今後のキャリアについて考える際の参考にしてください。

クリニック看護師がつらいと感じる理由

クリニック看護師がつらいと感じる理由には、人間関係や待遇、業務内容などが挙げられます。以下に、主な理由を解説します。

人間関係が悪い

クリニックは病院に比べて小規模でスタッフ同士の距離が近いため、一度人間関係がこじれると修復が難しくなります。

相性が悪い上司や同僚がいるとストレスが溜まり、働きづらさを感じるでしょう。

待遇が悪い

クリニック看護師は大規模な病院と比べて待遇が良いとはいえないことも多く、つらく感じてしまう原因となります。

給与や賞与の低さ、福利厚生の不足など待遇面に不満があると、モチベーションの低下や仕事に対する意欲の喪失につながるでしょう。

院長への不満がある

院長はクリニックの責任者であり、看護師にとっての上司にあたるため、関係性が悪化すると仕事がつらくなってしまうでしょう。

看護師が院長に対して不満に思う主な例は、以下のとおりです。

  • 患者さまへの対応が高圧的、話をあまり聞かない
  • 看護師への対応が気分で変わる、理不尽に怒る
  • 経営方針が利益重視、安全意識が低い

これらの問題は、日常業務におけるストレスを大きく増幅させる要因となります。特に、院長が改善に向けた姿勢を示さない場合、看護師は無力感を抱きやすくなります。

雑多な業務が多い

クリニックで働く看護師は、看護業務以外にもさまざまな業務を任される場合が多く、その負担からつらさを感じる方もいるでしょう。

特に、小規模なクリニックでは、1人当たりの業務量が多くなりがちです。

医師の診療介助や患者さまのケアのほかにも、以下のような業務を任される可能性があります。

  • 窓口での診療受付
  • 電話対応
  • 書類の作成・管理
  • 院内の清掃

こうした業務が日常的に重なると、本来の看護業務に集中できず、負担を感じる原因となるでしょう。

残業が多い

クリニック看護師は、残業の多さからつらいと感じる場合もあります。

感染症の流行期や救急患者の対応など、予期せぬ残業が発生することがあります。このような突発的な状況が、体力的にも精神的にも大きな負担となるでしょう。

やりがいが少ない

以下のような理由で仕事にやりがいを感じられず、モチベーションを維持できないクリニック看護師もいます。

  • 医療行為が少ない
  • 新しい知識・技術を習得する機会が少ない
  • ルーチンワークが多い

特に、急性期病棟や救急外来での勤務経験がある看護師にとっては、クリニックでの業務内容が物足りなく感じる可能性があります。

休みが取りづらい

クリニックはスタッフの人数が限られているため、急な休みを取りづらい環境です。

誰かが休むとその負担が残りのスタッフに集中し、ほかの職員も休暇を取りづらくなります。

このような状況が続くと、休暇を申し出ることに心理的なハードルを感じ、無理をして働き続けるケースも少なくありません。その結果、心身に負担がかかり、つらさを感じる原因になります。

教育体制が整っていない

クリニックではプリセプター制度や教育担当スタッフ、体系的な研修プログラムが整備されていない場合があります。そのため、看護師が十分な指導を受けられないケースも珍しくありません。

特に未経験の領域では、自身で勉強を進めたり、試行錯誤したりしながら業務を覚える必要があります。このような状況では不安感やストレスが大きくなりやすく、業務への意欲低下につながることもあります。

経営方針に不満がある

クリニックは院長の方針が大きく影響する環境であり、経営方針に不満を抱く場合もあるでしょう。

たとえば、院長が経営を優先するあまり、患者さま一人ひとりに寄り添う看護ができないなど、看護師が目指す看護師像との間に乖離が生まれると、不満が生まれる原因になります。

クリニック看護師がつらいと感じたときの対処法

クリニック看護師がつらいと感じたときの、具体的な対処法を解説します。

上司や同僚に相談する

クリニックで人間関係の悩みを抱えた場合、まず相談相手として挙げられるのが上司や同僚です。

同じ職場環境で働く仲間に話を聞いてもらうことで、共感を得たり、実際に役立つアドバイスを受けたりできます。特に、似た経験を持つ人から具体的な解決策を提案してもらえる場合があり、解決の糸口が見つかる可能性があります。

家族に相談する

つらい状況にあるとき、家族は心強い支えとなります。仕事内容や人間関係の悩みを共有すると、気持ちが楽になるでしょう。

また、家族からは客観的な意見や精神的なサポートも得られます。話をする中で自分の考えを整理できるため、冷静に状況を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

院長に相談する

クリニック看護師にとって、院長は職場の方針や環境を左右する重要な存在です。

職場環境や待遇に改善が必要だと感じた場合は、院長へ相談してみましょう。その際、感情的にならず、具体的な改善案を伝えることが大切です。

一方的に不満を伝えるのではなく、院長の意見にも耳を傾け、柔軟な姿勢で会話を進めましょう。

業務効率化を検討する

業務効率化は、日々の負担を軽減し、働きやすさの向上につながります。

まず、To Doリストを活用して業務内容を「見える化」しましょう。

タスクをリスト化し、優先順位や期限を明確にすると、業務の漏れや遅延を防ぎ、効率的に作業が進められます。

クリニック看護師を辞めるかどうかの判断軸とは

クリニック看護師として働く中でつらいと感じたとき、現在の職場にとどまるべきか、転職を考えるべきか悩むことがあります。

以下に、辞めるかどうかの判断軸を紹介します。

上司や院長に相談しても状況が変わらない

労働環境の問題について、上司や院長に相談しても改善されない場合には、状況を変えるための行動を起こす必要があるでしょう。

スタッフ全員で話し合う、外部機関に相談する等を行っても問題が解決しない場合は、新しい職場でより良い環境を見つけることを検討しましょう。

心身に不調をきたす

心身の不調が続く中で看護業務を行うことは、患者さまの安全にも影響を与える可能性があります。以下のような症状がある場合は、退職を真剣に考えるタイミングです。

身体面の不調精神面の不調
・全身の倦怠感が続く ・頭痛や肩こりが慢性化している ・手足のしびれや動悸がある ・不眠や睡眠障害が出ている ・食欲不振や胃腸の不調がある・仕事への意欲が低下している ・集中力が続かない ・不安感や焦燥感がある ・イライラが止まらない ・涙もろくなる

これらの症状が見られたら、まず専門家に相談し、休職や退職を含めた対応を検討することが重要です。

ほかにやりたいことがある

キャリアアップを目指したい、または理想のとする看護観と現在の状況が乖離している場合には、転職を前向きに検討しましょう。

たとえば、新しい診療科での経験を積みたい、管理職を目指したい、専門性を深めたいなど、具体的な目標がある場合、次の職場探しもスムーズに進みやすくなります。

クリニック看護師の退職手順

クリニック看護師が退職を進める手順は、以下の4ステップを参考にしてください。

退職希望日を決める

退職希望日は、就業規則で定められた提出期限を確認した上で決めましょう。多くの場合、退職日の1~3カ月前に申告が必要です。

また、以下の時期は人手が必要なため、できるだけ避けるとよいでしょう。

  • ゴールデンウィーク
  • 夏季休暇シーズン
  • 年末年始

一方で、年度末(3月)や賞与支給後(7月、1月)の時期は退職者が多い傾向にあり、クリニック側も受け入れてくれる可能性があります。

上司や院長に退職の意向を伝える

上司や院長に退職の意向を伝える際は、静かな時間帯を選び、事前に「お話があります」と時間を確保してもらいましょう。

退職理由が不満であっても、家庭の事情やスキルアップ、一身上の都合など建設的な理由を伝えると、円満に進められます。

これまでの感謝の言葉を添えることも忘れず、社会人としての礼儀を保つよう心がけましょう。

業務の引き継ぎを行う

後任の看護師がスムーズに業務を継続できるよう、担当していたすべての業務を網羅的に伝え、疑問点にも丁寧に答えましょう。

資料の作成や業務の整理を行うことで、引き継ぎがより円滑になります。

退職の挨拶をする

退職の挨拶は、これまでお世話になった職場の方々への感謝を伝える大切な機会です。

簡潔で誠意が伝わるような挨拶を心がけましょう。

個別で挨拶する場合には、業務で特にお世話になった方に、ささやかなプレゼントを渡すのもおすすめです。

クリニック退職時の注意点

クリニックを退職するときには、転職先を検討しつつ、引き継ぎをしっかり行いましょう。

注意点をそれぞれ解説します。

転職先を検討しておく

退職後の生活を安定させるためには、次の職場をあらかじめ決めておくと安心です。転職活動を在職中に行うと、収入が途切れるリスクを最小限に抑えられます。

限られた時間で効率よく転職活動を行うためには、転職エージェントや求人サイトを活用するのも有効です。

引き継ぎはしっかり行う

職場に迷惑をかけないためにも、後任への引き継ぎは丁寧に行うことが大切です。

スムーズな業務の引き継ぎは、円満退職につながります。

後任者への説明だけでなく、引き継ぎ資料の作成や業務の整理を行うのもおすすめです。

まとめ

クリニック看護師は人間関係や待遇が悪い、残業が多い、休みが取りづらいなどの理由でつらいと感じやすくなります。

こうした状況に直面した際、まずは信頼できる相手に相談しつつ、業務効率化を図りましょう。

それでも状況が改善せず、心身に不調が出たりした場合には、無理をせず退職の検討も必要です。

その場合、円満に辞められるよう適切な退職手順を踏むことが大切です。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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