看護師に自信がないと感じる10場面!対処して自信喪失から抜け出そう
「看護師を続けて大丈夫かな」「看護師をこれ以上続ける自信がない」
看護師として働きながら、このように考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事は、看護師に自信がないと感じたことがある方のために「看護師に自信がないと感じる10場面」「自信がないときの対処法」をご紹介します。
この記事を読めば、悩みを解決するきっかけがみつかるかもしれません。当てはまる方はぜひ最後までご覧ください。
看護師に自信がないと感じる10場面
最初に、「看護師に自信がないと感じる10場面」をご紹介します。
自分の意見が言えないとき
自信をなくす場面として、病棟での会議や申し送りなどで自分の意見が言えないときがあげられます。自分の意見が言えない理由は、以下のようにさまざまな要因が考えられます。
- 責任を感じたくない
- 周囲と対立したくない
- 自分の意見が間違っているかもしれない
看護師は、申し送りやカンファレンスで自分の意見を伝える機会が多いものです。しかし、経験が浅い方や知識に自信がない場合、上記の理由から「自分の意見を伝えるのが難しい」と感じることもあるでしょう。
「自分の意見をうまく伝えられないことで自己嫌悪に陥る」といった悪循環になることも考えられます。
上司や先輩に叱られたとき
上司や先輩に叱られたときも、自信を失いやすい瞬間のひとつです。
看護師の仕事は、患者さまの命にかかわる仕事であるため、状況によっては厳しく指導されることもあります。
「なぜ叱られたのか」「次はどうすればいいか」など、ポジティブに考えられれば良いですが、叱られた事実だけを捉えると自信をなくす原因となります。
仕事ができないと感じたとき
看護師の仕事の量が多いため、優先順位を考えながら業務を進めなければなりません。優先順位が考えられないと、思いどおりに仕事が進まず自信を失うこともあるでしょう。
医療労働連合会の調査では「仕事での強い不満、悩み、ストレスの大きな要因」として、「仕事の量の問題」が48.7%と最も多く「仕事の質も問題」31.8%「職場の人間関係」22.2%と続きます。
こうした問題の原因は「人員不足」「業務内容」など、さまざまな要因が関係しています。すべてが自分のスキルや要領によるものではありませんが、性格によって「自分は仕事ができない」と感じてしまうこともあるでしょう。
急変でデキパキと動けないとき
看護師の方が自信をなくしやすいタイミングが「急変」に対応する場面です。
急変は、患者さまの命にかかわる重大な出来事です。うまく対応できないとき以下のような思いになる看護師の方もいるのではないでしょうか。
- 自分が早く気づいていたら
- 自分の対応が悪かったのか
- ほかの看護師が受けもっていたら
急変が起こり周囲の動きが慌ただしくなったとき、どうすればいいかわからず固まった経験は誰しもあるでしょう。
急変対応は、経験やシミュレーションが重要であり、最初はうまく対応できないものです。
とくに、日勤と比べて夜勤中は少ない人数で対応しなければならないため、うまくいかないこともあるかもしれません。
BLSやACLSなどの急変対応の資格取得を目指して、学習に取り組むのも一手です。
職場の人間関係になじめないとき
職場の人間関係になじめないとき「仕事がやりにくい」「スタッフとうまくコミュニケーションがとれない」と、自信をなくしてしまう看護師の方もいるでしょう。
看護師は患者さまの命をあずかる仕事であり、ささいなミスも重大な事故となる可能性があります。
緊張感をもって働いている方もいるため、職場全体でピリピリとした雰囲気になることもあるでしょう。
先述した医療労働連合会の調査によると、看護師の職場における「仕事での強い不満、悩み、ストレスの大きな要因」として人間関係があげられています。
人間関係にストレスを感じている看護師の方もおり、なかには自信をなくしたり、やめたいと感じたりする方もいると考えられます。
ほかの人と比べてスキルが劣るとき
同期や同僚など、ほかの看護師に比べて「スキルが劣る」と感じたときも自信をなくすきっかけです。
たとえば、以下の経験がある方もいるのではないでしょうか。
- 同期が自分より先に管理職になった
- 同期だけ看護師のクリニカルラダー(※)があがった
- 採血や点滴留置がうまくできない
病院によっては「看護ラダー」をはじめとした評価基準によりスキルを明確にしているところもあります。スキルの違いにより自信を失ったり、やりがいを感じなくなったりすることも考えられます。
看護ラダーとは:はしご(ラダー)を登るように、段階的に実務能力を高めていくための評価システム。
アセスメントができないと感じたとき
「アセスメントができない」と感じたときも自信をなくす瞬間でしょう。
アセスメントとは、患者さまの情報を収集して整理・分析・評価するプロセスです。アセスメントでは、知識や経験をはじめ「情報収集する力」「情報を正しく分析する力」などが求められます。
看護師がキャリアアップしていくなかで欠かせないスキルです。
看護記録や申し送りなどで用いられ「アセスメントできていない」と指摘されて落ち込んだ経験がある看護師の方も多いのではないでしょうか。
患者さまの命にかかわると強く感じたとき
患者さまの命にかかわる場面を経験したとき「このまま看護師を続けていけるのか」「看護師として働くのは本当に大変なことだ」と不安になった方もいるのではないでしょうか。
命にかかわる場面とは、たとえば以下があります。
- 患者さまの容体が急変した
- はじめて重症の患者さまを担当した
- 患者さまのエンゼルケア(※)をおこなった
患者さまの命にかかわる場面に遭遇することで、強い緊張やプレッシャー、喪失感を抱きやすくなるため、自信をなくしてしまうことが考えられます。
※エンゼルケアとは:エンゼルケアとは、人が亡くなった後におこなう死後処理のこと。亡くなった患者さまの尊厳を保ち、ご遺族の心理ケアをおこなう目的もある。
中堅看護師になって知識不足だと感じたとき
中堅看護師になり、あらためて知識不足を感じたときにも自信をなくしてしまいます。
中堅看護師は、現場の戦力として仕事ができることや「新人教育」「現場のリーダー」としての役割が求められます。
先輩や上司としての立場から、わからないことがあっても「わからないと言いにくい」「恥ずかしくて聞きにくい」といった思いがある中堅看護師の方もいるでしょう。
医療や看護の情報は日々アップデートされるため、勉強をおこたると最新情報についていけません。状況によっては、後輩や部下にスキル・知識で追い抜かれる可能性もあるため、日々の自己研鑽は大切です。
インシデントやアクシデントレベルのミスをしたとき
インシデントやアクシデントレベルのミスをしたときも、看護師の方が仕事を続ける自信を失いやすいです。
インシデントやアクシデントはさまざまな要因によって起こります。医療労働連合会の調査によると、「医療・看護事故が起きる大きな原因」は以下のとおりです。
【医療・看護事故が起きる大きな原因(複数回答可)】
原因 | 割合 |
慢性的な人手不足による医療の現場の忙しさ | 86.3% |
看護の知識や技術の未熟さ | 37.0% |
交替制勤務による疲労の蓄積 | 22.0% |
看護職と医師との連携の悪さ | 18.9% |
職場の人間関係 | 11.0% |
参考:2022年看護職員の労働実態調査|日本医療労働組合連合会
「慢性的な人手不足による医療の現場の忙しさ」の割合が8割を超え、最も高くなっています。これは、ひとりの職員では改善が難しい問題と言えるでしょう。
ミスに対して精神的なフォローや対策が講じられず、個人の責任を追及されたときは更に自信を失うきっかけとなります。
看護師に自信がなくなったときの対処法
では、自信がないときはどのように対応すれば良いのでしょうか。
- 信頼できる看護師に相談する
- 健康的な生活習慣を送る
- ストレスをはね返す力を鍛える
- リラックスして心を休める
- 転職を検討する
それぞれ、みていきましょう。
信頼できる看護師に相談する
自信を失ったときに大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。「信頼できる上司」「状況を理解してくれる仲間」がいる場合は相談しましょう。
職場で相談するのが難しければ、家族や友人などでも構いません。話すことで悩みを自然と整理できて、心が楽になることもあります。職場に相談窓口があればそちらに相談するのも良いでしょう。
健康的な生活習慣を送る
気持ちが落ち込んでいるときこそ「運動」「食事」「睡眠」などの生活習慣に注意しましょう。
健康的な生活習慣は、ホルモンや自律神経などの働きからストレス解消をはじめとしたメンタルヘルス(心の健康)へプラスの影響が期待できるからです。
たとえば「食生活の乱れ」「睡眠不足」「運動不足」などに心当たりがある方は、まずは生活習慣を見直してみましょう。
ストレスを跳ね返す力を鍛える
ストレスをはね返す力とは「レジリエンス」といわれています。「回復力」「復元力」「耐久力」とも訳されており、自信がなくなる原因と向き合うためにはレジリエンスが大切です。
レジリエンスを鍛えるためには、「自尊感情」「自己効力感」「感情コントロール」「人間関係」「楽観性」が重要だとされています。
自尊感情 | 自身の存在を肯定的に捉えて、レジリエンスの基礎となる力 |
自己効力感 | 直面している問題に対して「自分なら大丈夫」と信じる力 |
感情コントロール | ものごとを冷静に捉える力 |
人間関係 | 困難にぶつかったとき、頼りになる人間関係 |
楽観性 | 困難にぶつかったとき、楽観的になれる考え方 |
考え方これらを鍛えるためには、自分を客観的に評価することが必要です。自分に足りない部分を知り、それらを鍛えることでレジリエンスが強化されます。
リラックスして心を休める
メンタルヘルスを整えるためには、リラックスして心を休める時間を作るのも良いでしょう。
厚生労働省の「若者を支えるメンタルヘルスサイト」では、疲れたときにできることとして以下の方法が紹介されています。
- 腹式呼吸を繰り返す
- 今の気持ちを書き出してみる
- 音楽を聞いたり歌をうたったりする
腹式呼吸には副交感神経を刺激して、体をリラックスさせる効果が期待できます。また、今の気持ちを書き出すことで、抱えている悩みを整理できるでしょう。
客観的に悩みをみられるようになり、落ち着いてものごとを考えられます。
転職を検討する
転職を検討するのも良いでしょう。自信がもてないのは以下のように職場が原因である可能性もあります。
- 「陰口」「いじめがある」など人間関係が悪い
- スキルアップや専門性を高めるための取り組みがない
- インシデントを起こしたときに個人の責任を追及される
今の環境のままでは、どうしても自信を回復できないときもあります。
すでに「看護師をやめたい」と悩んでいる場合は、転職を検討してみるのも方法のひとつです。職場が原因となっている場合は、転職することで状況が一変するかもしれません。
まとめ
本日は「看護師に自信がないと感じる場面」とその対処方法を解説しました。
看護師を続けているとさまざまな場面で「このまま看護師を続けていけるのか」と不安になることもあるでしょう。
こうした不安は誰にでも起こるものです。この記事で紹介した対処法を参考に前向きに乗り越えることを考えましょう。
ただ、「看護師をやめたい」とまで考えているなら転職するのも良いでしょう。訪問看護師へ転職希望の方はNsPaceCareerで求人を検索してみてください、
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